デンマーク料理ってどんなお味でしょう。日本でデンマーク料理レストランは少ないですね。デンマーク料理の基本は、農業と漁業に根ざしており、肉類や乳製品の食材を活かしたシンプルで栄養価の高い料理が特徴です。デンマークの伝統的な料理には、スモーブロー(オープンサンドイッチ)や、ポテト、キャベツ、魚を使った料理が含まれます。また、デンマークは乳製品の生産が盛んで、特にチーズやバターが有名です。日本人のお口には合いませんよとメールがあったので、7日間ほどの旅で出会った食事をご紹介しますね。
オーデンセのレストランに入ってびっくり!アンデルセンが通ったお店だった!
オーデンセの博物館やアンデルセンの生家を歩き回っているとお腹が空きます。空気は良いし、見たいものがあちこちにありますから、夢中で歩いてしまいます。とにかくどこかのお店に入りましょう。
店の外におしゃれな椅子とテーブルがあるのもいいけれど、秋、冬は寒いです。やはり、レストランに入るのが良いでしょう。オーデンセのレストランは、1900年代そのままの古風でくすんだ煉瓦色の建物の一階にあります。
焦茶色の重々しい扉が見えます。ここは誰かの家かしら?何か売っているのかな?扉の背が低い。日本人でも背の高い人ならちょっと頭を下げて入らなければ、ごちんとぶつかりそうです。
デンマーク人は背が高いのにどうしてこんなにドアが低いのでしょうか。デンマークの冬が長くて寒いので、風が吹き込まないようにドアの高さをぎりぎり低くしているのです。
レストランは100年前のもの。重々しさに圧倒される!
濃い茶色の重々しい扉を押しあけて中に入ると、すぐにはテーブルも椅子もはっきり見えません。かなり思い切りが要りますが、入る価値はあります。照明は薄暗く、小さな火窓から外の光が差し込んできます。ヨーロッパ人は昼でも室内は明るくしません。
「come in」とやわらかい男性の声。どうぞという仕草。「はい、こんにちは」どこでも気に入ったところに座って・・と言ったらしい。
メニューは全てデンマーク語。お値段のクローネしかわかない。ウェイターがにこやかに背筋をぴんと伸ばしてすすっと寄ってきた。「どこから来たのですか」「日本から」「オウ、ヤポン!デンマークに何しに来たのですか?」
「アンデルセンが好きなのでね。アンデルセンが居た所を全部、見たくて」「アンデルセンはここによく来ました」「え、ほんとに?アンデルセンは何を食べたのですか?」「さあ・・。たぶん、これでしょう」メニューを指さしてくれた。
なんだかわからないけれど、「じゃ、これ」彼はにこやかに笑い大きくうなづき、じゃこれもどうかと熱心にすすめてくれたけれど何を言っているのか聞き取れない。お酒のことらしかったがノーサンキューした。ウェイターだと思ったのは店のオーナーだった。
ちょっと待って。アンデルセンは1805年4月2日生まれ。今は2018年。ということは200年以上も昔のことよね。昨日もアンデルセンがここに食べに来たように言ったわね・・。どういうこと?ま、そんなことはどうでもいい。早く食べたい!
来た!黒パンの上にいろんなものが乗っているオープンサンドイッチみたいのが大皿いっぱいに並んでいる。緑のクリームチーズがみっちり乗っているのやエビや貝、生ハムが乗っていたり、グリーンピースとトマトの細切れの具は色鮮やかでうっとりする。
気になるお値段は日本円で3,000円くらい。クローネで書いてあるので安いように思ってしまうけれど、ちょこっと計算しながら注文するのがいいですね。ちなみに1クローネが25円くらいです。その日の相場によって少し違いはありますが。
学生街のレストランは中華、アメリカンあり寿司もある。おすすめはバーガー
コペンハーゲンの学生街。若い人たちが歩き回っている。デンマークの若者は何を食べているのか入ってみた。冬だというのに店の中は熱い。半袖にジーパンで大声で喋っている。ウェイターがうろうろ歩き回っている。
客の注文を聞いてまわっている。やっと席があった。喉が渇いていたのでウェイターを呼んだ。「ウヲーター」と言ったら、クレジットカードをここに入れろと端末を突き出された。そうか、ここはデンマークだ。
水いっぱいもクレジットカードが要る。日本みたいに「お水ください」と言えば持ってきてくれないので気をつけてください。必ずペットボトルを2、3本、持ち歩くのが賢いです。デンマークはからっとしているので喉が渇きやすいです。
ヌードルを注文したらラーメンが出てきた。「スシ?」と聞いてくれたがデンマークに来て握りはやめた。魚の色がすこし変わっていたから。ラーメンだけでは食べた気がしないよね。デンマークらしい食べ物は・・・、ここには無い。
そういうときは、パンが良い。どんぶりほど大きい丸いパンにハムやチーズ、ゆでたじゃがいもをはさんだバーガーみたいなものなら食べた気がする。何にしようかと迷ったらパンがおすすめです。タバコの煙が充満している店もあるからちょっと覗いてから入るといいですよ。
夕食はがっつり肉料理 じゃがいもはどっさりついてくる。家庭料理はパスタも
デンマーク人は朝食とランチはほぼ同じ。ライ麦パンの上にチーズやハム、野菜を乗せたサンドイッチ。牛乳やトマトジュース、野菜ジュースをたっぷりいただいています。毎日同じで飽きないのかなと思うほど。あ、日本人もお米で飽きないのと同じですかね。
夕食はじゃがいもと肉。豚肉が原材料になっています。焼き豚、ロースハム、ベーコンはどっちゃりという感じですね。肉を取り囲むようにじゃがいもがごろごろくっついている。大きいのも小さいのもある。丸ごと茹でてあったりサイコロ状にカットされていたり。大皿からはみ出しそう。すごい!
通訳さんがお家に招いてくださった。ご主人はデンマーク人。エプロン姿のご主人がにこやかに迎えてくださった。青い柄のテーブルクロス。やはり青いお皿がセットされている。お皿は2枚重ね。「ではパスタを茹でるよ。茹で加減は?」
「茹で加減て何のこと?」「柔らかいのが好きか、硬めが好きかと聞いているのよ」家庭に招かれたら、その場で尋ねられるかもしれません。自分の好みをはっきり伝えるのが良いですね。お任せしますと答えたら、ホストは困ってしまい、料理ができないので遠慮しないで言いましょう。
社員食堂のランチ お洒落で豪華!これが社員食堂ですか?
「主人の会社を見たいですか?ランチを一緒にいかが?」と通訳さん。世界中の頭脳が集まっているという会社の食堂はすごかった。一面がガラス窓。太陽がさんさんと射し込む。ビュッフェスタイルになっている。肉料理、野菜、果物、デザートがずらーと並んでいる。社員の服装はまちまち。
肌の黒い人、白い人、焦茶の人、黄色い人が笑顔で話しながらお皿に料理を取り分けて、好きなとろこに座っている。通訳さんのご主人もスーツでびしっと決まっている。少し話しただけで「じゃ!」と戻って行った。昨夜、パスタを振る舞ってくれた人と別人だ。オンオフの切り替えが見事なのね。
デンマーク人は食事を大切にするんだって。食べることに一生懸命になるのではなくて、会話することを大切にするのよと話してくれた。仕事が終わると自転車で40分かけて家に戻る。戻ってから食材の買い出しにゆくそうな。ご主人が?デンマークでは当たり前のことよ。ふ〜ん、そうか・・・。
デンマーク人が食べ事を大事にするのは良い人間関係を育てるためですって!
静かに黙々と食べている場面を見たことがないですね。デンマーク人は小鳥のように話すのでおしゃべりが好きな国民なのね、と思っていましたが、話すことは良い人生を送るためだということがわかりました。
コミュニケーションの場としての食事をとても大切にしているのね。たしかに食べている時に怒る人はいません。ホームステイさせていただいた家庭でも一つのテーブルで家族と同じ物をいただくうちに大昔からの友達のような気分になりました。
食事の場って大切なのね。テレビを見ながらスマフをいじりながらの食事って味気ないですよね?すごいご馳走でなくていいからテーブルの真ん中に深皿に盛ったサラダや肉じゃが、おでんを置いてスマホもテレビも無しの食事をしようと思わされました。
自分の国の伝統料理を素朴に作って、家族や友達、お客さんと皆でいただく。難しいことじゃない。気張らないで楽しく、素直で自然な気持ちになれる食事の場が大事だってこと、身に染みましたね。アンデルセンのこと研究する!という気負いは邪魔かもしれないわねえ。
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