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 プロフィール:アンデルセン研究者・翻訳家としての歩み

アンデルセン文学の奥深さと魅力を皆様にお届けしたいと思い、このブログを始めました。20年以上にわたり北欧文学、特にハンス・クリスチャン・アンデルセンの生涯と作品研究に携わってきた経験を共有できれば幸いです。

東京大学大学院北欧文学専攻修了後、デンマークのコペンハーゲン大学で2年間の研究留学を経験しました。この期間中、アンデルセンの原作を原語で読み解く技術を磨き、現地の研究者とのネットワークを構築することができました。

研究背景と業績

これまでアンデルセンの主要作品10点以上の新訳を手がけ、「アンデルセン童話の現代的解釈」「北欧文学における象徴性」などの研究論文を国内外の学術誌に発表してきました。特に日本ではあまり知られていない初期作品や大人向け童話の分析に力を入れており、アンデルセンが単なる子供向け作家というイメージを超えた多面的な文学者であることを伝える活動を続けています。

2018年には『アンデルセン再発見—民衆文学から世界文学へ』を上梓し、日本アンデルセン協会より優秀研究賞をいただきました。また全国の大学や文化センターでの講演活動も定期的に行っています。

ミュージカル「アンデルセン」制作と現地調査

私の研究活動の集大成として、2023年にミュージカル「アンデルセン〜夢見る靴職人の息子〜」の脚本と歌詞を担当しました。東京を皮切りに全国10都市で公演を行い、のべ15,000人の観客を魅了することができました。

しかし、想像力と文献調査だけで創作した作品に不安を感じ、2024年春、アンデルセンの足跡を辿る旅に出ました。オーデンセの生家を訪れ、彼が14歳で夢を追いかけて旅立った町の雰囲気を肌で感じました。オーデンセ川では「アンデルセンと川」というボートツアーに参加し、川岸で俳優たちが童話を演じる様子を目の当たりにし、現地の人々がいかに彼を誇りに思っているかを実感しました。

コペンハーゲンでは、アンデルセンが歌手として働いた王立劇場や、彼の恩人コリン家の住んでいたブレズガーデ通りを訪れました。また、アシスタンス墓地でアンデルセンの墓を参拝し、「神の姿に創られた魂は不滅であり、失われることはない」という彼の言葉を刻んだ墓石を前に、創作への敬意を新たにしました。

「アンデルセンの世界」ブログについて

この度立ち上げた「アンデルセンの世界」では、20年の研究と現地調査で得た知見を広く共有したいと考えています。アンデルセンの生涯や作品分析はもちろん、デンマークの文化や歴史、北欧の民話との比較など、多角的な視点から情報を発信します。

特に、日本ではあまり知られていないアンデルセンの大人向け作品や、彼の成功と苦悩の背景にある社会的文脈にも光を当て、より深く彼の魅力を伝えていきます。また、デンマークの現地写真や、ミュージカル制作の裏話なども交えながら、親しみやすく、かつ学術的にも価値のあるコンテンツを提供していきます。

読者の皆様へのメッセージ

アンデルセンが愛される理由は、彼の作品が子どもだけでなく大人の心にも響く普遍性を持っているからです。この普遍性こそ、150言語以上に翻訳され、世界中で愛される秘密だと考えています。このブログを通じて、アンデルセンの魅力を日本の皆様にお届けできれば幸いです。

ぜひコメント欄でご質問やご感想をお寄せください。皆様との対話を通じて、より豊かなアンデルセン研究を展開していきたいと思います。

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