絵本は子どもの成長と発達を促すとても大事なツールです。絵本読み聞かせは、次のような効果があります。想像力や感性が育ちます。うれしい、悲しい、楽しいなどの感情を持つようになります。言葉の数が増えるので自分の気持ちを伝えることができるようになる。
言葉と感情表現力によっコミニケーション能力が育ちます。なので親子の絆が深まります。共感力が育つ。集中力がつく。自己肯定感が育つ。愛着障害を防ぐ。成績が良い子に育つ。良いことだらけですよね。
ところが、2歳頃には、絵本、見ない、きらい、イヤイヤという時期が来るものです。イヤイヤきだから仕方ないと諦めてしまうのは勿体無いですね。2歳児は自我が芽生える時、生まれ持っている子どもの個性が見えてくる時期、親子の良い関係を育てる時期、とても大事な時なんですよね。
絵本は子どもの人格を育てる大事な教育ツールだということがおわかりいただけましたでしょうか。絵本嫌いの子どもを絵本好きにする方法を三つ、お教えします。なんだ、これでいいのかというほど意外に簡単ですから、ぜひ、試してみてくださいね。
図鑑を見せて子どもが何が好きなのかを知ろう!
絵本は絵のある物語。なので、親は物語を理解させたくてようと思って文を熱心に読みたくなるものですが、絵本には見向きもしないで汽車や電車、虫、動物の絵を食い入るように見る子どもがいます。そのような子どもは「図鑑型」と言われています。
図鑑型の子どもは、物の変化、動き、形や成り立ちなどに興味関心を持つ傾向があります。男の子は、乗り物が好きなようですね。そこで、図鑑を見せて絵本に導く方法をもおもしろいよ!と知らせる方法3選を解説しますね。
図鑑好きの子を絵本好きにするには?図書館で絵本を借りてきて親が読んでいる姿を見せる。
1歳頃から週に1回くらいは図書館に行くといいですね。図書館には本屋さんに比べて内容の良い絵本が揃っています。どれを借りたらいいのかわからない時は目についた絵本を借りるといいですね。あまり悩まないでえいっと絵本を棚から抜いて貸し出しカウンターに行きましょう。
親が本棚の前で悩ましそうな様子をしていると、敏感に子供に伝わります。絵本を見るときのママは苦しそうだと感じてしまいます。子どもに良い絵本を読ませたいと思うのをやめて、親が好きだと思う絵本を借りるといいですね。
家に帰ったら、楽しそうに声を出して絵本を読んでみましょう。子どもが絵本に関心を示さなくても大丈夫!夢中になって絵本を読み続けます。読むフリでもかまいません。そのうち子どもは親のほうをチラチラ見始めます。
子どもがだんだん近づいてきたらしめたもの。「ほら見て、これ、なあに?何しているのかな?どうなるのかな?」とやさしく語りかけてみましょう。こんなことを繰り返しているうちに絵本に興味関心を持つようになります。
乗り物図鑑好きの子どもを絵本好きにする三つのポイント①キャラクターがはっきりしている。②表情が生き生きしている。③動きがある。
①主人公のキャラクターがはっきりしていることはとても大事です。2歳児にも好かれるキャラクターは、働き者、やさしい、イタズラが大好き、やんちゃ、怒りん坊、泣き虫、イヤイヤばかり言っておとなを困らせるけれどかわいい、行動的などです。子どもそのものだということですね。
②表情が生き生きしていることが大事です。機関車だからといって図鑑のような機関車ではおもしろくない。笑っているのか、怒っているのか、泣いているのか、やさしい気持ちなのか、喜怒哀楽がはっきりしているのが子どもの気持ちにぴったりきます。
③動きがあることがだいじです。電車や機関車が走る、飛ぶ、もぐる、歩く、跳ねる、座る、寝るなど動けば大喜びで子どもはすすっと絵本に入り込んできます。子どもは動くのが仕事みたいなもの。ここはおとなと違うところですよね。
子どもは機関車の絵本が大好きです。力強くぐいぐい走る、他の車輌を引く、先頭というのも気分が良くなるのです。子供が喜ぶおすすめ絵本をご紹介しますね。男の子も活発な女の子も好きですよ。我が家の長男、元気者の長女は汽車絵本が大好きでした。
おすすめ絵本「きかんしゃやえもん」(岩波書店)老いぼれやえもん機関車のおもしろい言葉から入ってゆく
おかしなやえもん言葉がいっぱい登場します!しゃっ、しゃっ、しゃくだ、しゃくだ、しゃくだと怒りながら走る。体はぼろぼろなのに労わってもらえないのでぷっすんぷっすん、怒る。れえるバスのいちろーはるこは、けろろんろんろん けろろんと走る。特急は、ら ら らん らん ぱあんと叫んで行ってしまった。
屑鉄にされそうになったやえもんですが、なんと博物館に展示されることになった。嬉しげに得意げなおじいさん機関車やえもんの顔がやさしい気持ちにさせてくれる。作者は阿川弘之さん、絵は漫画家の岡部冬彦さん。2歳に難しそうにみえますが、そうでもないのです。
やえもんが「しゃくだ、しゃくだ、しゃくだ」と怒る場面で、子どもと一緒に「しゃくだ、しゃくだ!」と声を張り上げて読むと良いですよ。好きな言葉は何回読んでもいいのです。親子で一体感が持てますからね。ぜひ、やってみてください。
他のおすすめ絵本「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」(福音館)決まりきった時間に決まりきったコースを走らなくてはいけない機関車のちゅうちゅう。そんな毎日がいやになって脱走、脱線の大暴走!冒険心を満足させる。
「機関車トーマス」(ポプラ社)「大きな機関車ゴードン」(ポプラ社)イギリス生まれらしい機関車の顔と気難しくて誇り高いけれど失敗が多いキャラクターがおもしろい。「よるのきかんしゃゆめのきしゃ」(ひさかたチャイルド)貨車に荷物を積み込むのは動物たち。ラクダ、ゾウ、サル、恐竜。皆、よく働く。こんな汽車なら乗りたくなる。
「しょうぼうじどうしゃじぷた」(福音館)「せんろはつづく」(金の星社)「おやすみはたらくくるまたち」(ひさかたチャイルド)などを読み聞かせてみてください。
お父さんの読み聞かせは効果がある!特別感、安心感を与える
お父さんが子どもに絵本を読み聞かせる効果は大きい!普段は忙しくて子どもに接する時間が少ない父親が絵本を読んであげると「パパは忙しいのに本を読んでくれる。パパは自分を大事にしてくれる」と父親の愛情を感じることができます。
絵本タイムは自分だけを見てくれる特別な時間です。この特別感は子どもに安心感を与えます。気持ちが満たされる時間は、子どもが豊かに健やかに成長していくために欠かせない要素です。どんなに忙しくても生の声で読んであげましょう。上手でなくていいのです。普通に自然に・・・。
お父さんの読み聞かせ 話をふくらませたり寄り道したりで自由。遊び心がすてき!
母親は絵の中の物を質問したり、数を数えさせたりして教育に役立てようとする傾向があります。父親は、絵本の筋に関係なく話を膨らませたり、脱線したりします。子どもに理解できない抽象的な言葉を使うこともあります。
子どもにわからないかといえばとんでもない。ちゃんとわかっているのです。正しく正確にわかることは子どもにとって問題になりません。そんなことより父親の世界と自分への愛情を感じとることがすばらしいのです。
お父さんの読み聞かせは、型にはまらない自由で寄り道型が効果的です。仕事で疲れているお父さん、読み聞かせはご自分のリラックスタイムでもあると思って、気楽に脱線型でやっていただけるとうれしいですね。
やえもん絵本を食べてしまった!好きだから
息子が2歳の時、父親が「きかんしゃやえもん」を買ってきました。「機関車の本だぞ!」息子を胡座の中に入れて絵本読み聞かせが始まります。物語の途中で息子にどんどん語りかけます。火がついたよ、どうなる?どうする?お父さんは、機関車、好きだよ、デゴイチはかっこいいよ。
話はどんどん外れていきますがおかまいなし。いつの間にか物語に戻っているのです。何回も何回も読まされていました。しゃしゃ しゃくだしゃくだ!機関車やえもんになったつもりで部屋の中を走り回ります。父親も一緒にです。
私が読むと、「ちがう!お父さんみたいに読んで」と怒るのです。マジメに読む、脱線しない読み方がおもしろくないらしい。乗り物図鑑を持ち出してきて汽車や電車の名前を教えてくれるのですが、関心がないので何一つ頭に入ってこない。
ある日、やえもんの絵本が息子の口からはみ出していました。びっくり仰天!ぐじゅぐじゅになった絵本を指でかきだしました。「どうして食べたの?」「やえもんがかわいいから」乗り物図鑑大好き好きの息子が絵本好きになったのは父親の型にはまらない読み聞かせでした。
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