デンマークの地方教会:伝統と現代が融合する心あたたまる空間    

デンマークの国教はキリスト教です。コペンハーゲンには教会が700以上もあるそうです。都市部の教会は、だいたいが荘厳で立派、高い塔が立っているのや圧倒されるようなバロック建築です。気軽にちらっと覗いてみるには威厳がありすぎます。地方に行けば現代的で気軽な教会があります。教会の玄関先にはきれいな花壇が並んでいます。花壇だと思いきやお墓です。そこには伝統と現代が融合する心あたたまる空間があります。

地方の教会 入口への道が長い。道の両脇はお墓

 

大きな家のような教会、歴史と現代が融合してステキ!

賑やかなコペンハーゲンを抜けて車で20分ほど走れば、赤や黄色の家が道路の両側に整然と綺麗に並んでいます。家の高さがほぼ同じ、色も赤や黄色の同系色なので落ち着いた感じです。

緑の街路樹も行儀良く両側にずらりと並んでいます。青い空の下に赤、黄色、緑が居並ぶ景色は絵本の中に入ったような感じです。空を遮る電線も電柱もありません。

デンマークの空が遠くまでよく見えるのは電線が無いからです。コペンハーゲンからちょっと離れると、素朴で暖かいおしゃれな田舎に出会えます。デンマーク地方旅、おすすめです。

ちょっと見には大きい家が建っているように見えますが、それが教会です。道路の端に車を停めて脇に教会へのまっすぐな道の両側に花壇があります。赤や黄色や白や紫の花を取り囲むように背の低い木も植えられています。

道路の脇に車を停めて教会まで歩きます。道幅は5、6メートルくらい、教会までのアプローチは30メートルから50メートルくらい、コンクリートできちんと整備されています。

車は侵入禁止です。だから道路の端っこに車を停めて、人は歩きます。けっこう長い真っ直ぐな道は、神社の参道筋のような感じです。

昔は教会へアプローチする道の端に銃やナイフを置かされました。デンマークは銃社会だったのかと驚きますね。

デンマークは、常に周辺国に攻撃され、戦争に巻き込まれていたので、男は必ず銃やナイフを持っていました。

こんな時代でも男性も日曜日の礼拝には必ず参加していました。教会は神聖な場所だから、武器を外して必ずここに置いて行け、と厳しく言われていました。

教会へのアプローチ道の両側に銃やナイフがうず高く置かれていたのでしょうか。美しいお伽の国のデンマークからは想像しにくいですが、ほんとうにあったことです。

デンマークのお墓が可愛い理由(わけ)は故人と楽しい時を過ごすため

十字架が見える 墓石は丸い

1メートルくらいの木2本が隣のお墓と境目の印

低い緑で隣のお墓との境目を区切っている

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更地のお墓 きれいに箒目が入っている

お墓に眠る人の名前、何年に生まれて何年に亡くなったかを墓石に彫ってあります。

教会への道の両側に高さ30cmくらいの緑の生垣で囲まれたきれいな花壇が並んでいます。1区画2メートルか3メートルくらいの長方形で可愛いお花が植えられています。

墓石はなく、箒目がきれいに入った砂利が敷き詰められているのもあります。京都の庭のような感じです。誰も入っていない墓地、これから売られるのでしょうか。

丸い石や細長い石に文字が刻まれています。これが墓石です。墓石の両側には赤や黄色の可愛らしい花が咲いていて、とても明るい!

デンマークのお墓には切り花を備える習慣はありません。春夏秋冬に咲く花を植えるのもいいものだと思いませんか。これがデンマークの故人を偲ぶ文化です。

お墓はピクニックに来るところ、楽しむ場所

お墓に5、6人の人がやってきました。楽しそうな笑い声です。手にはバスケットを持っています。花壇の中に胡座をかいて座り、バスケットを開けて、サンドイッチやデンマークパンを出しました。

クーラーボックスからペットボトルが出てきました。皆でしゃべって、笑って、食べるのがデンマーク流お墓参りです。

デンマークのお墓に行くなら、外国人でもお弁当と飲み物持参で行き、お墓の中の人と楽しい時間を持つのが良いそうです。厳粛な顔は喜ばれないのです。文化の違いですね。

教会には誰もいない。自由に入っていい?

教会のドアに鍵がかかっていません。誰でも自由に出入りしてくださいということらしいです。祭壇の両側に信徒が座るこざっぱりした質素な木製椅子が並んでいます。

中二階にパイプオルガンがあります。パイプオルガンを弾いてみたいなら、遠慮しないで触らせてもらえばいいですね。日本人には丁寧にやさしくしてくれますから、安心してください。

昔は男女の席が決まっていた。男性は右、女性は左

昔は、教会入口も礼拝の時も男女は別々と決まっていました。祭壇に向かって右側が男性、左側が女性です。今は教会の入口はひとつ、男女が同じ入口から出入りします。

礼拝の時の席も男女が自由に座ります。いつ頃からそうなったか、はっきりわからないようです。

日曜日や金曜日に礼拝があるので、関心がある方は参加してみるのもいいのではと思います。外国人だからダメ、異教徒はダメということはありません。

アンデルセンが生きた古いデンマークと現代のデンマークはあたたかい!

デンマークはアンデルセンを生んだ国、お伽の国、北欧の美しい国というイメージしか持っていませんでした。アンデルセン童話には現代社会への痛烈な皮肉が隠されています。

デンマークの教会やお墓を見て、デンマーク人の話を聞いてみて、「お墓の中のぼうや」「はだかの王様」「人魚姫」「雪の女王」「あの女はろくでなし」などのほんとうの意味がわかります。

アンデルセン童話のほんとうの生きる喜び、悲しみ、破れた恋など皮肉などが見られます。人間の真実を強烈についています。

デンマークに行ったら、デンマークの光と影をしっかり見てこられるといいと思います。光とはアンデルセン童話、美しい建造物、IT研究最先端をゆく国です。

影とは、キリスト教が国教であるはずのキリスト教が国民の意識の中にないことだと、デンマークに住んでいる人が言っています。

ほんとうのところは、旅人にはわかりませんが・・・。とにかく明るい、美しい、楽しい、魅力いっぱいの国です。ぜひ、行っていただきたい国です。

 

 

 

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