アンデルセンを産んだ国デンマークの人は、どんな暮らし方をしているのだろうか。何を食べて、何に乗って学校や会社に行くのだろうか。休みの日は何をして過ごしているのだろうか。
スーパーマーケットは広いのか、何を売っているのか。
デンマーク人はアンデルセンをどう思っているのだろうか。観光旅行ではわからないデンマークの現実を知るにはホームステイがいちばん良いですね。
私が体験したホームステイを参考にしていただければうれしいです。
- 働き方と余暇の過ごし方。 仕事とプライベートを分けて家族や自分の時間を大切にする。
- コミュニケーションの取り方はストレート。友達も家族も遠慮なく物を言うけれど、喧嘩にはならないで和やか。
- デンマーク食文化は家庭料理にあった!朝、お昼はお弁当、夜も家で。
- デンマークの家庭料理の特徴は四つ、シンプルながらも温かく、奥深い魅力があります
- デンマーク料理の素晴らしさ四つ。温かさ、安心感、多様性、健康志向
- 自然との触れ合いを大切にする。庭にも大きな木が3、4本。
- ヒュッゲ体験してみよう!くつろぎをお家で家族や友人と過ごす。最高の癒しです。
- ヒュッゲの背景は、二つの要因がある。バイキング時代はデンマークの文化に影響を与えた。
働き方と余暇の過ごし方。 仕事とプライベートを分けて家族や自分の時間を大切にする。
デンマークの人々は、仕事とプライベートのバランスを非常に大切にしています。
平日は夕方4〜5時には仕事を終え、その後の時間を家族や趣味に充てるのが一般的です。
残業はほとんどなく、効率的に仕事をこなすことで、余暇を充実させています。
デンマークをガイドしてくださった友人のご主人が、会社に来てもいいよ、ということで案内された会社の建物はこれぞデンマークというフォルムです。
東京でもニューヨークでもイギリスでもない形をしています。
セキュリティは厳しく、簡単には社内に入れません。がっしりした女性のコンセルジュに友人がご主人の名前と訪問目的を言うようにと言います。
コンセルジュは、オフィスに電話して、二言三言やりとりして、OK、ここで待つように言われて1、2分。
さっそうと現れた友人のご主人はラフなシャツにビシッとネクタイ姿です。
昨夕、キッチンで一生懸命にパスタを茹で、デザートのプリンを救っていたエプロンの男性とは別人です。顔つきも違います。
家庭にいる時と仕事場ではこれほど別人になるのかと驚きです。
もちろん、日本でも家庭人と仕事人の顔は違いますが、ここまで別人級なのは文化の違いでしょうか。
会社でランチをしてから別れ際に、奥様がご主人にこちょこちょと言った言葉は
「帰りに強力粉2キログラムと薄力粉1キログラム、買ってきてね」「ああ、いいよ、」と、2キロと1キロだねと復唱します。
さらに果物を買ってきてと奥様のお願いです。けっこうな量の買い物になります。
どうやって持って帰るのかといえば、自転車だそうです。コペンハーゲンでは自転車通勤するのが一般的です。
仕事帰りに買い物をするのは男性、というのがデンマークの普通なのです。
このようなライフスタイルは、家族や自分自身の時間を尊重する文化から来ていると感じました。
コミュニケーションの取り方はストレート。友達も家族も遠慮なく物を言うけれど、喧嘩にはならないで和やか。
ホストファミリーとの会話で印象的だったのは、意見をストレートに伝えるコミュニケーションスタイルです。
家族間でも遠慮なく自分の考えを述べ、時にはディスカッションに発展することもありました。
ホームステイ先のご夫妻が、日本人が来たので一緒にご飯しようと、声をかけてくださいました。
日本人、デンマーク人、イギリス人、フランス人、ドイツ人が10人くらい集まってくれました。
部屋の中央のテーブルにはスモーブロー(デンマークのオープンサンド)、サラダ、チキン、果物、黒パン。
部屋の隅には、コーヒー、紅茶、水などのボトルやコーヒーマシーン、コーヒーカップなどが置かれています。
ちょっとしたパーティーみたいなことをデンマークでは、普通にやっているのです。
誰もたいへんがっていない、自然な感じが心地よく感じます。
2、3人掛けのファにゆったり腰を下ろして喋る人、コーヒー片手に立ち話する人、とても和やかに自然な感じで会話を楽しんでいます。
このような会話ができるのは、幼少期から自分の意見を持ち、それを伝えることが自然と身についているからだと思います。
オープンなコミュニケーションは、互いの理解を深め、多様性を尊重する社会の基盤となっていると感じました。
現地の方と日常生活を共に過ごし、食卓を囲んで美味しい家庭料理を頂きながら会話を楽しむ中で
幸福度が高い国として注目を浴びるデンマークの人々の考え方やゆったりとした過ごし方の秘訣をほんの少し感じられた気がします。
デンマーク食文化は家庭料理にあった!朝、お昼はお弁当、夜も家で。
ホストマザーが用意してくれた食事はどれも美味しいですが、特に印象に残ったのはデンマークの伝統料理であるスモーブロー(オープンサンド)です。新鮮な食材を使ったシンプルなのに味わい深いです。食事の時間が楽しみでした。
スモーブロー(Smørrebrød)
デンマークのオープンサンドイッチで、ライ麦パンの上にさまざまな具材(魚、肉、野菜など)を乗せて食べます。特に、ニシンやサーモン、パテなどが人気です。
フリカデラ(Frikadeller)
:
デンマーク風のミートボールで、豚肉や牛肉を使い、玉ねぎやスパイスで味付けされています。通常はジャガイモやキャベツと一緒に提供されます。
ラップス(Rugbrød)ラップス(Rugbrød)
:
デンマークのライ麦パンで、スモーブローのベースとしてよく使われます。濃厚な味わいとしっかりとした食感が特徴です。ライ麦粉をベースに、全粒粉や種子などを加えて作られます。酸味と独特の風味があり、健康にも良いとされています。
ラップスは、そのまま食べるのはもちろん、オープンサンドやスープの付け合わせなど、様々な食べ方で楽しめます。
日本で食べるなら、全粒粉パンをお求めになるといいですね。少し違いますが、デンマークのパンを味わえます。
ポテトサラダ(Kartoffelsalat)
茹でたジャガイモをマヨネーズやクリーム、ハーブと混ぜたサラダで、家庭の食卓によく登場します。
茹でたじゃがいもを豪快に角切りにしてぎゅっと潰し、玉ねぎ、きゅうり、人参などの野菜や、ベーコン、卵などを加えて、マヨネーズや酢、油などで和えます。野菜の味がしっかり生きているのがデンマーク風。試してみませんか。
デンマーク風シチュー(Boller i karry)
ミートボールをカレー風味のソースで煮込んだ料理で、ご飯やジャガイモと一緒に食べることが多いです。
カレー粉は、デンマークでは一般的なミックススパイスで、様々な料理に使われます。Boller i karryに使われるカレー粉はマイルドで、子供でも食べやすい味付けですはじめは物足りないくらいですが、ちょっと慣れるといくらでも食べられます。
デンマーク風パンケーキ(Pandekager)
デンマークでは、Pandekagerは朝食やおやつとしてよく食べられます。甘さ控えめのパンケーキで、トッピングとしては、ジャム、蜂蜜、チョコレートソース、フルーツ、クリームなどがあります。
また、塩味のPandekagerもあり、ベーコンやチーズなどを加えて食べられます。甘いパンケーキもいいですが、おすすめはデンマークならでは塩味パンケーキです、
グラタンポテト(Kartoffelgratin)
薄切りのジャガイモをクリームとチーズで焼いた料理で、特に冬の家庭料理として人気があります。じゃがいもを使ったグラタン料理です。薄切りにしたじゃがいもを、牛乳や生クリーム、チーズなどと一緒にオーブンで焼き上げます。
Kartoffelgratinは、メイン料理の付け合わせにもなりますし、味付けがしっかりしているので朝食やランチとしても食べられています。ごってりしているようですが、胃もたれがないのがうれしいです。
デンマークの家庭料理の特徴は四つ、シンプルながらも温かく、奥深い魅力があります
デンマークの家庭料理は、シンプルながらも温かく、そして奥深い魅力を持っています。
特徴
-
地元の食材を最大限に活かす
- デンマークは酪農や漁業が盛んなため、新鮮な牛乳、バター、チーズ、魚介類が豊富です。これらの食材をシンプルに調理し、素材本来の味を最大限に引き出すのがデンマーク料理の基本です。
- また、ライ麦パンやジャガイモなど、地元で採れる食材も大切にされています。
-
伝統的な調理法を守る
- ロースト、煮込み、焼きなど、伝統的な調理法が今も家庭で受け継がれています。
- 時間をかけてじっくりと煮込んだ料理は、素材の旨味が凝縮され、深い味わいを生み出します。
-
家族団らんの象徴
- デンマークでは、夕食は家族全員で食卓を囲む大切な時間です。
- 手作りの温かい料理を囲みながら、会話を楽しむことがデンマークの家庭料理の大きな魅力です。
-
シンプルながらも奥深い味わい
- デンマーク料理は、素材の味を活かすシンプルな味付けが特徴です。
- しかし、そのシンプルさの中にも、長年培われてきた技術や工夫が凝縮されており、奥深い味わいを楽しむことができます。
デンマークの家庭料理は、シンプルながらも温かく、そして奥深い魅力を持っています。
デンマーク料理の素晴らしさ四つ。温かさ、安心感、多様性、健康志向
自然との触れ合いを大切にする。庭にも大きな木が3、4本。
滞在中、ホストファミリーと一緒に近くの森や海岸を散策する機会がありました。デンマークの人々は自然を愛し、日常的に散歩やアウトドア活動を楽しんでいます。広大な森の中を歩きながら、四季折々の風景や新鮮な空気を満喫し、心身ともにリフレッシュすることができました。
家の作りは、大きな窓や天窓を設け、自然光を最大限に取り入れる設計が一般的です。明るい室内は、人々の心を穏やかにし、幸福感をもたらすと考えられています。
木材は温かみがあり、自然な素材として好まれます。壁材や床材、家具など、様々な箇所に木材が使用されています。冬の寒さが厳しいデンマークでは、断熱材の使用や二重窓の採用など、徹底した断熱対策が施されています。
食用になる果樹やベリーを庭に植えていて、食事の度に庭からもいできてテーブルに乗せます。野菜やハーブを栽培する家庭もあります。新鮮な食材を自分で育て、食べるのが最高、身体にいいのよと言われていました。
家の建材や家具には、木材、石、レンガなど、自然素材が使われています。窓を大きくするのは、自然の景色を眺めたいだから、だそうです。寒い冬でも家の中は暖炉のようなストーブを炊き、自然との一体感を大事にした暮らしは、絵本の景色です。
これらの要素が組み合わさることで、デンマーク人は自然を身近に感じながら、心豊かな生活を送っています。
ヒュッゲ体験してみよう!くつろぎをお家で家族や友人と過ごす。最高の癒しです。
デンマークの文化には「ヒュッゲ」という概念があります。これは「心地よい時間」や「くつろぎ」を意味し、家族や友人と共に過ごす温かな時間や、一人でリラックスするひとときを指します。ホストファミリーとの食事や会話、静かな時間を共有することで、私もこのヒュッゲを体感し、心の豊かさを感じることができました。
ヒュッゲの背景は、二つの要因がある。バイキング時代はデンマークの文化に影響を与えた。
デンマークの厳しい気候と長い冬が、このヒュッケの発展に影響を与えました。冬は長くて寒いので、家庭内で暖かくして心地よい時間を過ごすことがとても大事なことです。
バイキング時代からの伝統的な家族の絆や共同体の重要性も、ヒュッゲの考え方に影響を与えています。バイキングのことは、映画や物語の中でしか知らないのですが、家庭での会話にバイキングのことが出てくるのは驚きです。
デンマーク人にとって、バイキング時代は誇り高い歴史の一部であり、彼らのアイデンティティを形成する上で重要な要素となっています。ヴァイキングの遺産は、デンマークの文化、言語、芸術、そして国民性に今もなお影響を与えています。
ただし、バイキング時代は暴力や略奪の時代でもありました。そのため、デンマーク人の中には、バイキングの行動を批判的に捉える人もいます。しかし、バイキング時代を自国の歴史における重要な時代として肯定的に評価する人が多いです。
私がお世話になった家庭では、デンマーク人はバイキングを誇らしげに話してくれました。映画のバイキングは海賊だけれど誤解しないでほしい。彼らは、勇猛果敢な戦士であり、探検家であり、交易者でもあったと熱心に話してくれました。
バイキングの遺産は、デンマークの文化、言語、芸術、そして国民性に今もなお影響を与えています。バイキング時代は暴力や略奪の時代でもありました。そのため、デンマーク人の中には、バイキングの行動を批判的に捉える人もいます。
穏やかでやさしいデンマーク人ですが、歴史や文化について尋ねると、きゅっとした表情になり、態度もがちっとするのはこのような歴史的背景があるのだと思います。ホームステイでなければわかりませんね。
ホームステイしてアンデルセンを訪ねた旅のホームステイを通じて、デンマークの文化や価値観を深く理解することができました。ホストファミリーの温かいおもてなしと、日常生活の中での気づきは、私の心に深く刻まれています。この経験を通じて得た学びや感動を、これからの生活にも活かしていきたいと思います。
デンマークの人や暮らしを知りたいなら、滞在型のホームステイをなさるといいですね。お知り合いがいなければ、ホームステイを紹介してくれる会社がありますので、実際に会社を訪ねて相談されるといいと思います。
食事を通じてデンマークの食文化や家庭料理の温かさを感じることができました。
コメント