江戸時代の宿場がそのままに残っている大内宿。ふらりとあるけば、野口英世像が忽然と現れます。1時間に一本しか走らないような電車の待合室には囲炉裏が掘ってある。冬には炭が入って旅人を温める。駅に隣には足湯がある。ネコ駅長が昼寝している。東京から3時間くらいで江戸時代に行けるのです。タイムスリップは気持ちがいい!
上町のふるびた神社が町を守っている
JR東日本会津若松駅で降りて、国道を道沿いに歩き、途中で脇に逸れると会津若松市上町と書いてあります。読み方は「うわまち」です。
上町と書いて、うえまち、かみまち、かんまちと呼ぶ所もありますからおもしろいですね。鬱蒼とした森の入り口に古びた神社がありますが、よそ見をしていると見落としそうな小さな鳥居です。
熊野神社と小さく書いてあります。御神体はどこの神様かわかりせん。石の階段は古びてひび割れているので、靴の先が割れ目に入ると危ない。手すりにつかまりながら降りるのがいいです。
こんな所に口英世像がぽつんと立っている
神社の前の広い田舎道を進んで行くと、忽然と野口英世像が現れます。壊れかけた小屋のような建物の前に偉人野口英世博士がひとりぽつんと堂々と立っています。
香塩集会堂と保福寺は同じ敷地内にあります。香塩集会堂は閉まっていて、普段は誰も来ないし、開けることもないそうです。場所は大戸公民館と、国道に対して反対側になります。
平成16(2004)年に修復したということです。地元の人もどうしてここに野口英世像があるのかわからないそうです。
像はちょおと前えかがみ、右手に本を持ち、左手はズボンのポケットの中に入れている、珍しい姿です上野にある像などは、もっと堂々としています。
柔和な顔ですが、真剣な表情で、世のため人の為に勉強をした人なんだなと感じられる像です。ところで、火傷した手は右か左かどちらでしょうか。銅像の手からはわかりません。
大内宿の屋根の上には1メートル以上の草が
江戸時代にタイムスリップしたような大内宿。草鞋を履いて歩くのが似合います。宿と宿の間の広い道も生活用水が流れるのも江戸時代のまま。
葺屋根の民家が街道沿いにずらりと並んでいます。民家を宿にしていたのですから、民宿みたいなものですね。 屋根の上には、木のような大きな草が風に揺れています。
1メートル以上もあるような草木やぺんぺん草のような草、名前はわからないけれど、どの家の葺屋根に生えています。草は地面に生えるものですが、ここでは屋根の上に生えるのです。
りっぱなものです!屋根の上の草は、屋根の葺き替えの時に抜いてしまうのでしょうかね。
名物ネギそばは美味しい?
大内宿の名物といえばネギそば。靴を脱いで座敷にあがると、10畳から12畳くらいの座敷に通されます。障子が取り払われた座敷が三つも四つも並んでいるのは壮観です。
卓は長い一本木。木の節がいい感じです。正座がきついお客には座椅子を出してくださるので、高齢の方も足の悪い方でも安心して入れます。
注文してから20分は待ちます。注文を受けてからそばを茹でるのでこれくらいはかかるのですが、待ち時間が苦になりません。風通しは良いし、江戸時代の時間が流れているのですから。
洗面器のように大きいどんぶりに黒い蕎麦がたっぷり入っています。蕎麦の上で迫力の鰹節が踊っています。どんぶりのふちから縁に長く太いネギが渡っています。
箸はありません。テーブルの上に割り箸は置いてありますが、ネギで食べるのが大事です。ネギで蕎麦を掬い取って口に運ぶのはけっこうたいへんです。
ネギの辛さが口に残って、蕎麦を食べているのか、ネギをかじっているのかわからない。一本まるまるネギを食べる方は少ないようです。ぜひ、チャレンジしてみてください。
座敷の中に囲炉裏が切ってあって、串刺しの魚を焼いています。100歳のおばあちゃんが現役で魚を焼いたそうです。ここ嫁に来てからこの家を守ったと店の人(家族)が言いました。
焼きたてせんべいは熱くて手に持てない
座敷の上がりがまちにお煎餅を焼いているおばあちゃんが、威勢のいい声で客を呼び込んでいます。1枚400円のお煎餅は赤ん坊の顔ほどの大きさ。
若者がずらりと並んで自分の番を待ちます。一枚400円だよ!熱いから気をつけて!落としちゃダメだよ!焼きたてせんべいは柔らかい。
おせんべいをビリリとちぎって分けて食べるのも旅の楽しみ。シェア食べをオススメします。店の前、というより縁側にはせんべいが重なり合って置かれています。
三袋買えば2,000円、一袋なら700円。もちろん現金のみ、カードもペイペイもダメという店が多いですから、現金を持っていくことをおすすめします。
大内塾のお土産おすすめは、竹細工、自家製味噌、干し柿、
街道の両脇はお店ばかり。会津塗りの店には高級なものが並んでいますが、10,000円以上の商品には手が出ないですが、お箸やスプーン、猪口くらいが手頃なお値段で買えます。
会津塗りのお盆の深い光はさすがです。本物好きの方にはおすすめできます。本場会津塗の職人さんが相手してくださいますし、押し売りする気配がないので安心です。
本物の竹で編んだ底の浅い竹籠は絶品です。小さいのは300円、500円くらいですから、お菓子入れや小物整理に役立つと思います。家の中に竹があるのはいいのではないでしょうか。
食いしん坊さんにオススメするのは手前味噌です。ご当地産の唐辛子、手前味噌で作り上げたいろいろな味噌を買う前に、試食をおすすめします。
大内宿でトイレがある店をチェックしておきましょう
旅に出て一番先にしておくことは、トイレの場所チェックです。食べ歩きすれば、お茶もコーヒーもいただきます。お子さん連れならトイレ問題はけっこう深刻です。
トイレがある店は、手書きで看板が立っています。トイレ有りますと。トイレはだいたいが店の奥にありますので、気をつけてみておくといいですね。
バスセンターにはトイレがたくさんあるので安心できます。大内宿入り口から7、8分の所にあります。楽しい旅をトイレで困らないようにしたいですよね。
電車もバスも1時間に1本?事前に調べておこう
電車は一輌か2輌、1時間に1本、乗り継ぎがうまくいかないと、取り残されてしまいます。大内宿行きのバスは、終バス時刻が早いです。行く前に調べておくといいですね。
電車はワンマン。紙の切符が必要です。電車の中でも買えますが、スイカが使えない場合もありますので、現金を用意しておくと良いと思います。
駅での荷物預かり 料金は?
荷物預かりは、駅によって対応が違います。四人分の荷物をひとつと数えて300円でいいという駅もあれば、ひとつ300円という駅もあります。預ける前に料金チェックをおすすめです。
ローカル線にはコインロッカーは、ほとんどありません。駅預かりが無いところも有りますから、荷物は小さく軽くしておきたいですね。
会津若松の大内宿、やさしい気をもらう旅
大内宿の旅は江戸時代に行くと同じことだと思います。電車もバスもコンビニもないけれど、やさしい人情はあふれるほどあるのです。
会う人どなたもおっとりとやさしい。商売気無しの会津弁で労わってもらうと、体中から力が抜けて行きます。自然の気と江戸時代を生きる人の気をもらえる会津旅をおすすめします。
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