源平最後の戦いの地は須磨でした。須磨寺は源氏の総大将、源義経の陣地でした。平経盛が熊次郎直実に討たれるシーンが銅像で再現されているのはリアルで度胆を抜かれる迫力です!16歳で討たれた敦盛の首塚、敦盛の首実験をしたとき義経が腰掛けた松など、注意していないと見過ごすほどが無造作な感じがします。源平史跡めぐりに関心のある方におすすめのお寺です。
迫力!平敦盛、熊谷次郎直実の一騎討ちの銅像
正門から入って、わりにすぐの所に二人の騎馬武者が馬に乗って立っています。一人は海の波のように筋目が入った砂の上に立って後ろを振り向いています。
これが平野敦盛、16歳か17歳。敦盛は平清盛の弟、平経盛の子、従五位の敦盛。つまり平家直径の御曹司です。清盛が神戸に陣を構えていたということは意外に知られていませんね。
後ろにいる武者は、源氏の大将、熊谷次郎直実。波打ち際で敦盛を組み伏せ、首を討とうしましたが、我が子と同じ年頃の実篤の首を討つことができません。この時、敦盛は初陣でした。
名を名乗れと直実は言いますが、敦盛は、私の首は価値がある、討ちとったら大将に見せよと名前を言いません。泣く泣く首を討って義経が首実験して平経盛の子、敦盛だということがわかりました。
敦盛はよく歌を詠み、笛が上手で戦の前夜にも敦盛が吹く笛の音が源氏の陣営に届きました。直実はその笛を聴いていたのです。なんと哀れな話でしょう・・・。
これは実際に起きたこと、須磨の海で起きた戦。石の銅像の二人は今にも動き出しそうな感じです。須磨は瀬戸内海、波はおだやか。ちゃぽんちゃぽんとやさしい音を奏でます。
そんな須磨の海で源平の戦があったのです。須磨寺からまっすぐ降っていけば須磨の海に出ます。歩くのは無理ですが、車か電車(JRか山陽電鉄)に乗れば10分ほどで海が見えます。
敦盛を追う熊谷次郎直実
振り向く平敦盛
対峙する敦盛と直実
敦盛が吹いた青葉の笛
直実は敦盛の首を兜で包もうとして、笛に気がつきました。敦盛は笛を吹くのが好きで戦場まで持って行き、戦の前夜に敦盛が吹く笛の音は義経の陣地まで届き、敵も味方も感激いたということです。
青葉の笛は須磨寺宝物館の入り口に展示されています。入場料は無料なのでご覧になるといいですね。松尾芭蕉の時代には入場料が高い、と芭蕉は怒ったそうです。
青葉の笛の句碑と歌が出るところを探してボタンを押してみましょう。歌詞のとおりにボタンを押せば、青葉の笛の演奏になる仕掛けになっています。楽しいのでぜひやってみましょう!
ここは意外にわかりにくいです。地味な場所に地味に立っているのでうろうろ探してしまうかもしれません。なので、須磨寺案内のパンフレットでチェックしておきましょう。
青葉の笛の歌詞
作詞:大和田 建樹 作曲:田村 虎蔵
一の谷の 軍破れ
討たれし平家の 公達あわれ
暁寒き 須磨の嵐に
聞こえしはこれか 青葉の笛
更くる夜半に 門を敲き
わが師に託せし 言の葉哀れ
今わの際まで 持ちし箙に
残れるは「花や今宵」の歌
敦盛首塚、首洗い池、義経腰掛けの松、哀れ
道端にあつもり首塚と札が立っているのにはぎょっとしますが、立ち寄ってみられるのをおすすめします。丸い石や四角い石を6段積み上げた供養塔のようなもので、怖い感じはしないですね。
敦盛の首を見るために義経が腰掛けた松、枯れ松の大木がごろんと横たわっています。生々しく感じる方にはおすすめできませんが、何事も経験と思われる方はぜひ腰掛けてみてください・
敦盛の首を洗い清めたという首洗池に錦鯉が泳いでいます。池のすぐ上に枯れた腰掛け松があります。義経の気分を味わいたい方にはオススメスポットです。
芭蕉の句碑
芭蕉は、青葉の笛を見たくて何度も須磨寺に足を運びましたが、拝観料が高いので怒っていました。須磨寺や 吹かぬ笛聞く 木下闇芭蕉の耳には敦盛の笛が聞こえたのでしょうか。
須磨寺へのアクセス 駅から5分〜12分
神戸はうなぎの寝床のような街で、交通の便はとても良いので、短時間であちこち見ることができます。緑色の市バス(神戸市の色)、私鉄、JRが市内全域を走っているの大助かりです。
須磨寺にいちばん近いのは、山陽、阪神、阪急電鉄「須磨寺」駅下車、北(山側)へ徒歩5分。JR「須磨駅」、市バス「須磨駅」下車12分。
市バス「天神下」下車北へ12分
JR「須磨駅」下車北へ12分
山陽、阪神、阪急電車「須磨寺駅」下車北へ5分
道は平坦ですが上り坂なので運動靴がおすすめです。ヒールは感心しないですね。服装はラフでパンツがいいです。境内は広い、見たい所はたくさんある。ベンチは殆どありません。ス
拝観時間は無料 閉門時間に気をつけて
拝観時間8:30~17:00、 拝観料は無料。午後5時近くなるとジャージ姿のお坊さんが、「もうすぐ閉まりますよ」と声をかけて歩きます。門が閉まると一晩中、寺の中はこわい。時間を気にしながら拝観してくださいね。
これほど立派なお寺なら、拝観料が高いのでは?とびびっていたのがウソみたい。これほど広くて大きくて、文化財や重宝もたくさんあるのに無料とはすごい!財布にやさしい須磨寺ですね!
平清盛は神戸とゆかりの深い人
平清盛は、平安時代に神戸とゆかりの深い人で、神戸港の基礎を作った人とも言われています。神戸市兵庫区には平清盛ゆかりの史跡が多く残っています。
神戸市民でさえほとんど知られていません。地味な碑がぼそっと立っているので気づかないです。
福原京とは現在の神戸市兵庫区平野町あたりで、遊郭があった時代もありました。
大輪田泊を見下ろす麓に人工島を築き、波浪を避けるために整備されました。現在のポートアイランドや六甲アイランド、神戸空港の原型となったといわれています。
観光タクシーがオススメ
清盛関連の跡地は観光コースから外れていますので、市バスや電車で行くのはむずかしい。観光タクシーがオススメです。観光タクシー運転手は最高のガイド。お客が納得いくまで説明してくださいます。
値段は乗る時間によって異なります。1日、半日、3時間、4時間という具合に設定されていますので、行きたい所の希望を言うといろいろなプランが出てきます。何人かでシェアすればお得です!
源平盛衰と須磨 まだまだあります
義経のひよどり超え、逆落としの話。清盛の話。案外知られてないお話がたくさんあります。調べてから神戸に行かれるといいですが、時間に余裕がない方は神戸観光案内所に寄ってみてください。
一弦琴は須磨寺に置いてあり、家元は神戸にいらっしゃいます。敦盛公を忍ぶイベントが毎年あります。旧暦2月7日(2025年は3月6日(木))時代絵巻が見られます。
須磨という所は、背中になだらかな山並み、前は瀬戸内海が穏やかな波が光っています。心満たされる旅になると思います。人生の思い出作りに最高の所。ぜひ、おすすめします!
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