デンマークが自転車大国である三つの理由。都市整備、健康志向、高い税金

デンマークの首都コペンハーゲンの道路は広い。片側3車線から4車線ある。びゅんびゅん走る車のそばを自転車がすごいスピードで走る。車線の脇に道幅が狭い車線がある。それが自転車専用道路だ。渋滞の車をぐいぐい追い抜いて行く。老いも若きも、男性も女性も走る。リュックサックを背にした学生も走る。

コペンハーゲンは平地だから自転車を漕ぐのに適している

首都コペンハーゲンは官庁、大企業、商店、文化施設、学校などが集中している。デンマーク人口が594.7万人(2023年)のうち81万人がコペンハーゲンに住んでいる。

朝の通勤、通学のラッシュ時の自転車の波は壮観だ。通勤、通学の交通手段の49%を自転車が占めている。車は27%、電車とバス18%、徒歩6%。コペンハーゲンの自転車が堂々と見えるわけだ

びしっとスーツで決めた男性が背中に黒いリュック型の書類カバンを背負って颯爽と自転車を漕ぐ様子はカッコイイ。トレーナー姿で背中に大きなリュックは生徒や学生、小さい子供はいない。

マイカーブームの後に自転車へ移ったのはオイルショックが原因

1907年にはヨーロッパトップクラスだったコペンハーゲン市は1960年代後半のマイカーブーム到来により、政策を自動車優遇に変えた。

1970年代にオイルショックが起きると、石油に依存しない交通手段は自転車が良いということになり、再び自転車ブームが到来した。

コペンハーゲン市民は自転車専用道路を設置するべきだと市に要請し、デモも行った。そこで、コペンハーゲン市は1980年代から自転車道予算を増やし、基本的な自転車インフラを整備した。

自転車は電車やバスに乗れる!料金は?

世界一と言われる自転車都市コペンハーゲンを自転車に乗って楽しんでみるのもおすすめです。あちこちにレンタルの自転車があるから試してみるといいですね。

筆者は、自転車に乗れないので眺めるだけにした。自転車道のすぐ脇に歩道がある。自転車道が歩道だと思って自転車を見ていたら通訳さんに腕を引っ張られた。

デンマークでは自転車はバス、電車、メトロに持ち込むことが許可されている。長距離列車への持ち込みは無料、市内の電車、バス、メトロは無料。

駅のホームにはエレベーターがあって自転車も乗れる。車内には自転車置き場がついている。自転車置き場がついている車輌は1輌か二輌。自転車優先でお客が少ない時は椅子に早変わりする。

電車やバスに乗れるのは自転車だけではない。イヌも乗れる。イヌの料金は聞き忘れたが、おそらく無料だと思う。

自転車が普及すれば健康になって、医療費が安くなる

コペンハーゲン市は、環境にやさしい街づくりを目指している。自動車より自転車の利用が増えればCO2排出量を減らすことができる。

自転車利用率が10%アップすれば、病欠は10万9000日、減らすことができる。年間74億7400万円以上の経済効果があがるとコペンハーゲン市は見込んでいる。

デンマーク人は健康に気をつける国民だ。市の自転車プロジェクトを支持している。市は市民の意見や要望に耳を傾ける。市民は市にきっちり要望を伝える。

自転車が増えて駐輪場が不足している。駅には自転車が何台も置いてあった。市に要望を出しているが、なかなか実現しないと嘆いていた。

自動車税が高い!車の購入税金、280%

デンマークの税金はとても高い。所得税55%(市税21%,県税11%,国税23%),消費税25%(食料品も全て)、車の購入税280%.400万円のレクサスは1120 万円。

新車を購入すればこれだけの税金がかかる。毎日の通勤は車より自転車にしようというのも当然。通勤は自転車、余暇は車で、と分けて暮らしている人もいます。

車をシェアしている人もけっこういます。近所同士で、親子で、兄弟で、友達同士でといった具合です。デンマーク人は暮らしを楽しむのを大事にするから車は必要なのです。

車庫を持っている人は少ない。基本的には路駐OKです。道路脇に車が道路に沿って停まっている。高い税金についてデンマーク人に聞いてみたら・・・

教育・福祉が無料だから仕方ない。子供達は競争が無いので向上心に欠ける。高齢者に篤いは福祉があるからこれで良い。住めば都。デンマークは世界一幸せな国。

デンマークの深さは観光だけではわからない。アンデルセンを追いかける旅をした筆者にとっては、歴史を残す魅力的な国だ。デンマークの光と陰を探しに行かれることをおすすめします。

 

 

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